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国際宇宙ステーションの若田船長が14日に帰還、年末には「はやぶさ2」…今年度は宇宙関連ニュースがめじろ押し

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JAXAは人員でも予算でもNASAのほぼ1/10の規模ながら、頑張って着々と成果をあげています。
ここしばらくは嬉しいニュースが続きそうです。
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若田光一さん5月14日に帰還、年末には「はやぶさ2」も打ち上げ…今年度は宇宙関連ニュースがめじろ押し

2014.4.27 18:00(産経)宇宙
 
 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の若田光一さん(50)が5月14日に帰還するのを皮切りに、今年度は日本関連の宇宙ニュースがめじろ押しだ。種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)でのH2Aロケットの打ち上げも過去最多の5回が予定されており、日常生活に欠かせない気象衛星や、国民的人気となった小惑星探査機「はやぶさ」の後継機などが宇宙へ旅立つ。

 
若田船長、任務順調
 3月9日(日本時間)に日本人初のISS船長に就任した若田さんは「和の心」を信念に、日々の業務を順調にこなしている。
 旧ソ連のガガーリン飛行士が世界初の宇宙飛行に成功した「世界宇宙飛行の日」を翌日に控えた4月11日、6人のクルー全員でロシアのプーチン大統領と交信し、祝福を受けた。
 同20日にはロボットアームを操作して、米無人補給機「ドラゴン」を無事にドッキングさせた。若田さんはアーム操作の達人としても国際的に知られ、この日も持ち前の能力を発揮。短文投稿サイト「ツイッター」に「チームの皆さん、作業成功おめでとう」と英文で喜びをつづった。
 同23日には故障した装置を交換するため、米国の飛行士による船外活動が行われ、若田さんは手順確認の会議を開くなどしてチームを成功に導いた。
 
 昨年11月7日の出発から、この日で宇宙滞在は168日となり、1回の滞在日数の日本人最長記録を更新した。約半年ぶりとなる地球への帰還は5月14日午前11時ごろ(日本時間)の予定で、カザフスタンの草原地帯にソユーズ宇宙船で着陸する。
 4カ月半滞在した5年前の飛行では米スペースシャトルで帰還し、「ハッチが開くと草の香りが入ってきて、優しく地球に迎えられた」と語った若田さん。今回はどんな第一声が聞かれるか。
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  二酸化炭素除去装置を手入れする、国際宇宙ステーション船長の若田光一さん  =日本時間2014年4月9日(JAXA・NASA提供)
 
「だいち2号」、防災に期待
 今年度のH2Aの打ち上げは、5月24日の陸域観測技術衛星「だいち2号」で始まる。新世代のレーダーを搭載し、防災や地球環境監視などへの貢献が期待されている。
 初代のだいちは平成18年の打ち上げ後、設計寿命の3年を大幅に超えて運用を継続。東日本大震災で被災地を約400回撮影し、地殻変動や浸水域の把握に貢献したが、震災翌月に交信不能となり役目を終えた。撮影画像の十分な活用という点で課題を残したものの、震災まで持ちこたえた活躍が称賛された。
 だいち2号の解像度は、初代の10メートルから1~3メートルに向上。観測可能領域の幅は870キロだったが、機体を左右に傾けられるようにして2320キロに拡大する。津波による浸水や大型建築物の崩壊などをより明瞭、広範囲に把握できそうだ。初代は観測から画像入手まで3時間近くかかっていたが、約1時間に短縮するなど使い勝手もよくなる。
 
 同じ場所を複数回観測すれば地面の隆起や沈降を数センチ単位で検知できるため、地震に伴う地殻変動だけでなく地滑りや火山活動、地盤沈下の監視にも役立つと期待されている。気象庁の松森敏幸火山対策官は「昨年11月に小笠原諸島の西之島に新島が出現するなど、日本周辺の火山活動は活発な状況にあり、運用開始を待ち望んでいる」と話す。
 
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     陸域観測技術衛星「だいち2号」の想像図(JAXA提供)
 
「ひまわり8号」、初のカラー画像
 夏ごろの打ち上げが見込まれる気象衛星「ひまわり8号」は、欧米の静止気象衛星に先駆けて新世代の放射計(カメラ)を搭載し、性能が飛躍的に向上する。
 現行のひまわり7号は5種類の波長で観測するのに対し、8号では16種類に増加。これにより例えば青、緑、赤の3種類の可視画像を地上で合成することで、ひまわりで初めてカラー画像が実現する。黄砂や火山の噴煙の監視にも役立つ。解像度は可視画像で現行の1キロから0・5キロに、赤外画像で4キロから2キロに高まる。
 ひまわり7号は撮影に30分かかったが、8号は10分以内で可能。日本周辺に限ると2分半に1度撮影する新機能を持ち、予報精度の向上が期待される。積乱雲が急速に発達する地域などに限定して、30秒ごとに観測できる可能性もあるという。
 
 ひまわり8号は経費節減のため、28年度に打ち上げる9号と同時に開発。来年度に観測を開始し、34年度に9号と交代して予備機となる。6、7号は航空管制機能を併せ持つ運輸多目的衛星だが、8、9号は気象観測の機能に絞った。
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   静止気象衛星「ひまわり8号」「9号」の想像図(いずれも同型、気象庁提供)
 
年末に「はやぶさ」後継機
 世界で初めて小惑星の物質を地球に持ち帰って注目された小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」が、12月ごろの打ち上げを目指している。初代が到達した「イトカワ」とは別の小惑星に30年6月に到達し、1年半かけて探査。2020年東京五輪閉幕後の平成32年12月、採取した物質を入れたカプセルが地球に帰る。
 目指す小惑星は、有機物や水が豊富な「1999JU3」。生命の材料となるアミノ酸は、四十数億年前に小惑星などの衝突で地球に運ばれたとみられており、はやぶさ2が持ち帰る物質を調べれば、生命の起源の謎に迫れるかもしれない。
 探査の目玉は小惑星内部からの物質採取だ。上空を飛ぶはやぶさ2から、衝突装置が分離し地表近くで爆発。その衝撃で銅の弾丸が秒速約2キロで地表に激突し、人工クレーターをつくる。そこにはやぶさ2が近づき、物質を採取する。これにより、地表付近とは違って太陽光や宇宙線の影響を受けていない、約46億年前の太陽系形成時の状態を保った物質が得られると期待されている。
 
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の安部正真(まさなお)准教授(惑星科学)は「はやぶさ2の探査には、小惑星自体を知るだけでなく、生命や太陽系の謎を探る大きな意義がある」と強調する。
 初代はやぶさは内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)からM5ロケットで打ち上げたが、後継の小型機イプシロンでは打ち上げ能力が足りないため、はやぶさ2はH2Aで打ち上げる。
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  衝突装置を放出する小惑星探査機「はやぶさ2」の想像図(池下章裕氏提供)
 
情報収集衛星は2基
 今年度後半には政府の情報収集衛星2基も打ち上げられる見込みだ。
 情報収集衛星は北朝鮮による弾道ミサイル「テポドン1号」発射を機に導入された監視衛星。北朝鮮の軍事施設などを撮影する偵察衛星の役割のほか、災害対応も目的とされ、東日本大震災では津波浸水域の把握などに活用された。
 今年3月26日には、行方不明となったマレーシア航空機の残骸の可能性がある浮遊物をオーストラリア・パース沖で発見している。撮影画像は安全保障上の理由で公表されていない。
 
 デジタルカメラで撮影する光学衛星と電波を使うレーダー衛星があり、各2基の計4基がそろうと、地球上のどこでも1日1回以上撮影できる。相次ぐ故障などで本格運用が遅れたが、昨年1月のレーダー4号機の打ち上げで態勢が整った。設計寿命は5年のため後継機を順次、投入する必要があり、今年度は光学5号機とレーダー予備機を2回に分けて打ち上げる。

 
経産省の小型衛星も
 一方、経済産業省が主導する小型地球観測衛星「ASNARO(アスナロ)1」は夏以降、ロシア南西部のヤスネ基地から同国のロケット「ドニエプル」で打ち上げられる。
 大型衛星に匹敵する高い性能を持ち短期間、低コストで製造できる小型衛星シリーズとして開発した。アジアや中東、南米などの宇宙新興国に売り込む狙いがあり、災害の深刻化に悩むベトナムが、日本の政府開発援助(ODA)により同型の2基を導入する見通しだ。
 打ち上げは当初、24年度の予定だったが、ロシア側の都合で遅れた。「ASNARO2」は28年度にイプシロンで打ち上げる方向で検討されている。
 
 

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