桃実(Momomi)さまのブログ『桃実 says』より転載させて頂きました。
行ける人は時間を作ってどんどん行きましょう。
(以下、転載記事)
「翠玉白菜」を見てきた
上野にある東京国立博物館で、国立故宮博物院(台湾)の至宝中の至宝、「翠玉白菜」を見てきた。
7月7日まで展示している。
まず、この情報を得たときは、驚愕した。よく台北側が出した物だと思った。
しかも、同博物院のもう一つの至宝「肉形石」は、福岡の九州国立博物館に同時に出品しているそうだから、なおさらぶったまげた。
ともあれ、あの有名な白菜を、台湾にまで行かないでも、東京で見られる機会ができるとは思ってもいなかった。
夜8時まで開館しているので、仕事帰りに行ってみると、チケット売り場では、誰もが、売り場の人と「白菜」「白菜」と口に出して質問のやりとりしていた。
中に入るとしっかり列に並ばされたが、日本人はどこかの国と違ってきわめて整然と列に並ぶ。チケット売り場では「80分待ち」とおどされたけど、スムーズな移動のおかげで、実際は40分くらいで見ることができた。
土日に来ればよかったのかな、とも思っていたが、土日だと200分待ちだそうだから、平日の夜のほうがずっとよかったのである。
見て見ると、想像していたよりずーっと小さく、だいたい、男性の手のひらにおさまってしまいそうなサイズであった。
19世紀の終わりに皇帝にお嫁入りした女性の持参した道具であったらしい。
作者は不明である。
よくぞこのお宝の初の海外出品を決断してくれたものだ、と思っていたら、6月28日に、産経新聞に、同博物院の女性院長へのインタビュー記事が出ていた。それによると、日本側の「誠意」に動かされた、とあった。日本が海外美術品を守る法整備などをおこなってきた結果、30年以上も同博物院に熱意が伝わってきたという。さらに、2大スターを出品すれば、台湾の観光産業にも大きなダメージになるが、そこを、東京と福岡から、68点もの国宝や重要文化財の出品を逆提示したのだという。白菜と肉形という2大スターの出品の交換条件として、かなか交渉上手であることがわかり、そのこともうれしくなった。