Quantcast
Channel: くにしおもほゆ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8894

日本初の月面着陸機、30年度に打ち上げへ NASAにもないピンポイント着陸技術

$
0
0
2015.4.19 05:01  産経 http://www.sankei.com/life/news/150419/lif1504190013-n1.html

日本初の月面着陸機、30年度に打ち上げへ

イメージ 1

                     宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月面探査機「SLIM」の想像図(JAXA提供)
     
    宇宙航空研究開発機構(JAXA)が日本初の月面着陸機を平成30年度に打ち上げる方針を固めたことが18日、分かった。政府の宇宙政策委員会が夏までに正式決定する見通しで、旧ソ連、米国、中国に続く無人の月面探査機での軟着陸に挑む。目標地点に高い精度で降り立ち、将来の資源探査に役立つ技術の確立を目指す。
     関係者によると、20日に開かれる宇宙政策委の小委員会と文部科学省の有識者会合で、JAXAが月面探査機「SLIM」(スリム)の計画を説明する。

     小型ロケット「イプシロン」5号機で内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げる。開発費は打ち上げ費用を含め100億~150億円程度の見通し。宇宙政策委の了承を経て文科省が来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。
     各国の月・惑星探査機の着陸地点は、目標に対し1~数キロの誤差があった。これに対しスリムは、デジタルカメラの顔認識技術を応用してクレーターの位置を認識するなどの方法により、誤差を100メートルまで縮め、目的地に正確に降り立つ技術の獲得を目指す。

     無人探査機による月面着陸は1966(昭和41)年の旧ソ連と米国に続き、中国が2013年に成功。インドも数年以内の実現を目指している。日本は平成19年に打ち上げた月周回機「かぐや」が大きな成果を挙げ、次のステップとして着陸機が待たれていた。
     日本は17年に探査機「はやぶさ」がわずかに重力がある小惑星に着陸したが、重力が地球の数分の1と比較的大きい天体への着陸計画は初めて。将来の火星探査に向け技術を蓄積する狙いもある。
     日本の民間チームも来年後半に米国のロケットで月に探査車を送り込む計画だが、月面への到達は米国の着陸機に依存している。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    有人火星探査の足掛かり

     月探査機スリムが挑むピンポイントの着陸は宇宙大国の米露も獲得していない独自の先進技術だ。JAXAが大学などと共同研究してきたもので、今後の月や火星の探査を支える柱として期待される。
     スリムの着陸候補地は探査機かぐやが発見した縦穴付近。斜面に挟まれ、着陸が困難だった場所だ。月ではかぐやの観測で詳しい地形が明らかになったことで、探査したい場所に狙いを定めて着陸を目指す機運が高まっている。これに応えるため、スリムは地形を即座に判断して機体の位置を推定したり、未知の障害物を上空から迅速に検知したりする新技術を実証する。

     米国はJAXAが検討しているかぐやの後継機に、自国の資源探査車を搭載するよう提案している。かぐや後継機はスリムの着陸技術を使う見込みで、月の資源をめぐる国際的な議論で日本が発言力を強めることにもなりそうだ。
     月探査は火星への足掛かりとしても重視されている。スリムの究極の目標は、米国が2030年代以降に目指す有人火星探査で日本が存在感を発揮することだといえる。目的地に正確に降り立てば、効率的な探査が可能になるからだ。
     日本が有人火星探査に参加するかは未定だが、月面で高度な技術力を示すことができれば、役割分担などの国際交渉を有利に展開できると期待される。(草下健夫)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    2007年に「かぐや」が14種類もの科学機器を満載して月を長期間周回し、多くの華々しい成果を得ました。なぜ月はいつも地球に同じ側を向けているかの謎解き(測定の結果、月の重力の中心はど真ん中ではなく、地球側に偏在していた。月は地球との衝突(ジャイアント・インパクト)によって出来たという説の大きな補強でもあります)。
    月面の元素を調査し、またレーザー高度計によって地形を精密に測定しました。

    イメージ 2

    「かぐや」が見た月面と地球

    2つめの産経記事にある月面の地下大洞窟の発見も「かぐや」の大きい成果です。
    この洞窟内は将来に好適な居住場所になります。月面は空気がないので宇宙線が強いまま到達し、小さい隕石も燃えずに多数落下します。洞窟はこれらから守られます。日本が発見したのにこれまで日本による調査が無かったのは、とても危険なことです。
    一般の国民にとって、「かぐや」は周回しながらハイビジョンカメラで月面を撮影して、お茶の間にリアルタイムで中継したことで、月への関心がとても高まりました。
    実はあのハイビジョン・カメラは元の計画にはなかったのです。着陸船とローバー(探査車)が載る予定だったのを諸般の事情で中止して、ハイビジョン・カメラに替わりました。
    今回、満を持して着陸船とローバーの登場です。諸技術は当時よりも格段に進んでいます。
    中国は、「嫦娥(じょうが)3号」で運ばれたローバー「玉兎」が2013.12月に月面に降りて間もなく動かなくなってしまいました。これは反面教師です。国家の威信だけで技術者をせきたてるとこういう結果になります。日本は研究を予算と人員数でしっかり支援すれば、きっと結果を出してくれるでしょう。


    Viewing all articles
    Browse latest Browse all 8894

    Trending Articles