油井亀美也(ゆいきみや)元二等空佐殿がいよいよ宇宙に出発です。
これまで油井氏のJAXA入社からずっと追ってきました。
まるで自分のことのように感慨深いです。
過酷な訓練あっさり乗り越え、チームのまとめ役…“異例の高評価”空自出身の油井飛行士、23日に打ち上げ
産経 2015.7.19 21:24更新
宇宙飛行士の油井亀美也(ゆい・きみや)さん(45)が23日、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)へ向け出発する。日本人初のパイロット出身で、航空自衛隊で磨いた技術やチームワークへの評価は非常に高い。日本の飛行士の新たな時代を担うエースとしての期待が集まる。
油井さんは平成21年に宇宙飛行士候補に選ばれ、今回が初飛行。自衛隊時代から卓越した能力で注目されていた逸材だ。
テストパイロットだった約10年前、乗り慣れたF15戦闘機ではなく、F2の操縦訓練をしていたときに機体が突然、制御不能になる緊急事態が発生した。パニックに陥ることが多いが、油井さんは全く動じず、後部席にいた教官の指示を受けることもなく機体を回復させた。
指導した空自飛行実験群司令の柴谷敏文さん(53)は「冷静な判断は教育してすぐできるものではない。大した人だと強く印象に残っている」と話す。
こうした経験は油井さんの大きな強みだ。ソユーズをISSに手動でドッキングさせる訓練も難なくこなした。新人飛行士にとって試練となる過酷な重力加速度に耐える訓練も「こんなものかと思った」というほど、あっさり乗り越えた。
先輩飛行士の星出(ほしで)彰彦さん(46)は「今までの飛行士とは違い、培ったものがある」と高い技量への評価を惜しまない。
チームをまとめる能力も傑出している。テストパイロット課程の訓練生同士で機体の性能を調べる方法を話し合うと、自然と油井さんの意見でまとまったという。同期の谷冨(たにとみ)誠一郎さん(45)は「教官から厳しい質問が飛んで答えに困ると、みんな油井に期待して彼の顔を見た」と話す。
仲間の意見を聞き、課題を整理して前向きな気持ちで物事を進める油井さんの持ち味は、約5カ月間の宇宙滞在中も役立つはずだ。
飛行士候補の選抜に関わった筑波大の松崎一葉(いちよう)教授(宇宙航空精神医学)は「飛行士は物の見方が柔軟で、新しいことに挑戦し成長できる“伸びしろ”が大切。油井さんの評価は非常に高かった」と振り返る。
その言葉通り、油井さんはこの3年間でロシア語が驚くほど上達した。「苦痛だったが、楽しくやろうと発想を変えた。ロシアの映画や音楽を楽しみながら勉強した」と打ち明ける。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)幹部の間では、若田光一さん(51)に続くISS船長に推す声が上がる。月周回飛行を目指す米国宇宙船の搭乗者にふさわしいとの見方も出るなど、初飛行前から異例の評価が相次ぐ油井さん。持ち前の資質でその実力を世界に示してくれそうだ。(草下健夫)
JAXAは以前は、愚かなことに宇宙の平和利用という題目に縛られて軍事とのかかわりを一切断ってきました。
JAXAに自衛隊出身の宇宙飛行士はいなかったのは残念であり、異常なことです。
中国ではほぼ全員、NASAでも半数い程度が現役軍人や元軍人です。この分野でもやっと日本は普通の国になりました。
油井氏はF15のパイロット出身ですから、とても健常な体と操縦技術と英語力を元々持っています。JAXAの訓練は彼にとっては軽かったようですね。
今後は自衛隊の籍を置いたままで宇宙飛行士になれるように、制度を変えるべきと思います。
NASAではそのまま軍の階級で呼称する習慣のようなので、油井さんはリューテナント・カーネル ユイと呼ばれているかもです。
ロシアのロケットのトラブルの為に、出発が予定よりも遅れてしまいました。
この国の宇宙開発の問題点はとても重要で、反面教師としてもしっかりと把握しておかなければならないのですが、この記事としては焦点がぼけるし、長くなるので、またの機会に述べます。
拙ブログの主な過去記事は
宇宙飛行士のカメ中佐殿 只今ハードな特訓中! (2011.07)
初の元軍人宇宙飛行士 油井さん2015年宇宙へ (2012.10)
油井氏についてのwikiはこちらです。
長期滞在ミッションについてはこちらです。