いまの子供たちは文語に親しむ機会がありません。
何でもかんでも日常の言葉(口語)でなければならないというのは誤りだと思います。
唱歌『こいのぼり』を聞いてみましょう。
“いらかの波と雲の波”の歌い出しです。
私の小学生の時代、既に「いらか」は死後になってました。
同級生は気付かずに「いなかの波と♪」と、歌ってました。
教師が教えなかったからです。どうでも良かったのでしょう。
ましてや、「子供が分からないから」と口語の歌にどんどん替えてしまうのは、教育の放棄だと思います。
「いらか」は瓦のことだよと教えてやればいいのです。
この歌の視覚、それはこれではありません。壮観ではありますが、
このデザイン的なイメージでもありません。
うーん、画像がなかなかみつかりません。
昔はどこにも普通にあった風景なのですが。
こんな感じかな。どこかのお宅です。
歌は作者が一番気に入った優れた部分がしばしば歌い出しに使われます。
第三層:高い五月晴れの空の雲の波
第二層:鯉のぼりが泳ぐ中空
第一層:屋根を海原に見立てて瓦の波
このイメージですね。
あった!ミニ鯉のぼりですが、
街では空そのものが少なくなりました。瓦屋根も。
お隣や階下のお宅に迷惑かからないように、これもいいですね。
なんとかして可能な限り、生活文化を伝え残してゆきたいものです。