産経 2016.8.29 07:34更新 http://www.sankei.com/life/news/160829/lif1608290006-n1.html
【万象】 生きた化石ムカシトンボは氷河期の生き残りだった
2億年前から1億5千万年前までのジュラ紀に繁栄していたトンボの祖先は、今と違って前後の羽が同じ形で、草や木にとまるときに羽を閉じていたことが化石の研究などから分かっている。この特徴を伝えているのが、日本や中国、ヒマラヤ山脈の寒冷地だけに生息するムカシトンボだ。
ジュラ紀が終わると大半が絶滅し、ごく一部が限られた地域で細々と生きてきたとされていた。しかし吉沢和徳・北海道大准教授らの研究で、2万年前の氷河期の最寒冷期まで南アジアや東アジアに広く分布していたことが判明。その後の地球温暖化で寒冷地に追いやられた「氷河期の生き残り」だと分かってきた。(壽)
昆虫の仲間の中でトンボは一番早く地球上に出現しました。
もちろん人類がまだ出現していない時代で、恐竜はジュラ紀から白亜紀にかけて栄えています。
ムカシトンボは恐竜たちも見ていたのでしょうか。白亜紀が終って二度の厳しい氷河期を生き抜き、いま日本の寒冷な清流の地でひっそりと生きています。
形はオニヤンマを小さくしたようで、黒地に黄色斑がある全長5cmほどです。
近縁の種はヒマラヤと中国北部にいて、日本のムカシトンボを含めて世界にわずか3種だけが現存しています。
これは日本の自然がかけがえのない貴重なものである証拠でもありますね。
北海道から九州にかけてのいくつかの県の山地にいるそうですが、もし見かけても捕まえたりしないでくださいね。
そして渓流のある地域ごと大切にしましょう。
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