垂直型新型ロケット「イプシロン」機体を初公開 27日本番のリハも
2013.8.20 11:39(産経) [宇宙]
27日に打ち上げられる新型ロケット「イプシロン」初号機の機体が20日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付(きもつき)町)で報道陣に初公開された。
この日は機体を整備棟から発射台ごと搬出し、発射位置に正常に移動するかを確認するリハーサルを実施。打ち上げの3時間前を想定した午前11時過ぎ、整備棟の扉が開き、白地に赤のストライプが描かれた全長約24メートルの機体がゆっくりと姿を見せた。
イプシロンは固体燃料を使う3段式の小型ロケット。既存ロケットの技術を転用して開発費を約200億円に抑える一方、IT(情報技術)の活用で機体の自動点検や簡易な打ち上げ管制を実現した。初号機には惑星観測衛星「スプリントA」を搭載する。
内之浦宇宙空間観測所での打ち上げは、平成18年に廃止された先代のM5ロケット以来。国産新型ロケットの打ち上げは主力機のH2A以来、12年ぶり。
日本の固体燃料ロケットは地上の安全確保のため、機体を海側に傾けた状態で打ち上げてきたが、進路の制御技術の向上によりイプシロンは初めて垂直に立てた状態で打ち上げる。
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イプシロンは全長24・4メートル、直径2・6メートル、重さ91トンでロケットとしては小型。2006年に引退したM5ロケットの後継機です。
H2Aロケットの、補助ロケットを第1段に、上段には以前のM5リケットの上段を流用して開発され、とても安く出来ました。
打ち上げ前に自らを自動点検する「人工知能」などによりコスト削減を図る。だから短期間に準備できて打ち上げに必要な人数も少ないです。
27日に打上げる1号機には、地球を回りながら惑星の大気や磁気を観測する惑星分光観測衛星を搭載している。リハーサルでは、この衛星を搭載した状態のイプシロンを発射させるまでの動作を確認。