米、実験目的の説明要求 中国の「観測ロケット」 対衛星兵器を警戒
2013.5.18 16:07(産経)[中国]
中国が観測実験のためとして13日に打ち上げたロケットについて、米国が中国に対し、詳しい実験目的を説明するよう求めていたことが17日、分かった。米国防総省当局者が明らかにした。米側が衛星攻撃兵器(ASAT)開発への転用を警戒していることを示すものだ。
同当局者は、今回の打ち上げが科学研究目的の観測ロケットなどの手法と「一致しない」と明言した。中国側の反応は明らかにしていない。日本政府当局者は、ASAT開発を目的とする事実上の新型ミサイル実験だとの見方を示している。
国防総省はレーダーなどによる追跡で、ロケットが米国の軍事衛星も使用する高度約3万6千キロの静止衛星軌道まで近づく飛行ルートをたどったと分析。しかし、衛星や観測装置を軌道に乗せた形跡はなく、インド洋上の大気圏に再突入したとみている。(共同)
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ふつう、衛星は高度2,000kmまでの高度に打ち上げます。
それ以上高く上げても意味がないし、経済的に極めて非効率になります。
ただ、赤道上35,700kmの軌道に打つと地球の自転周期と同期して周回するために地球からは衛星が静止しているような効果が得られます。
これを「静止軌道」と言います。
静止軌道は気象衛星、通信衛星、放送衛星そして「早期警戒衛星」に使われます。
早期警戒衛星というのは、ミサイルが噴射する火焔の赤外線を探知する衛星で、この衛星が感知した情報はミサイル防備部隊に伝えられて対応が早くなります。
中国が「観測ロケット」と言っても、わざわざこんな凄い高度から科学目的で「観測」するというのは極めて不自然であり得ないことです。
そして衛星を射出するのでなく、ロケット自体が静止軌道までというのはますます怪しい。
どう考えても早期警戒衛星の破壊を企てているという結論に至ります。
それは中国が先制攻撃を意図していることにもなります。
現時点で早期警戒衛星を持たない日本には関係ないことでしょうか?
いいえ、通信衛星も放送衛星も破壊されるということですよ。