私ごとで恐縮ですが、学生時代は能楽部に入って、毎日謡(うたい)と仕舞(しまい)を稽古していました。
板の間に正座して、謡ではとにかく大声を出すように先輩から強いられました。
そして「お腹から声が出てないぞ!」と叱られていたものです。
一体「お腹から声を出すって」どういうことなんだろう、と不思議でした。
「肺の力を使わずに、横隔膜を使う」と教わっても、分かったような分からないような・・。
それがです。
毎日毎日稽古して、3年ほど経ったある日、「おっ、出来るようになってるね」と言われました。
この私もいつの間にか出来るようになっていたのです。
お腹から声を出していれば、声帯に負担をかけません。
西洋の歌い方でもお腹から声を出します。
合唱団で専門家の指導を短期間受けたことがありますが、「ベルカント唱法」も合唱団程度ならそんなに難しいものじゃないです。(もちろんプロは発声のために留学したりしますが。)
参考:「腹式呼吸ってなんだろう? No.3 「ベル・カント唱法」のどを下げるとラクに歌える」
次の動画は凄いです。
二人の先生がそれぞれ謡と仕舞の基礎の基礎を教えています。
両方の声が混じって聞きづらいですが、短時間で重要なことを言ってます。
西洋のベルカント唱法との違いと共通点を何となく感じとって頂けたら、この記事を作った意図が大成功で嬉しいです。
「No.233-2 林本大 『初心者でも楽しめる!林本大の能楽ワークショップ」
もっと歳とって自分の時間がたっぷり持てるようになったら、詩吟でも始めようかなと思っています。経験はないですが、お腹から声を出す事なら出来ますから。
能は日本が世界に誇る仮面劇です。
日本文化よ、永遠にあれ!
(能へのお誘い シリーズは「伝統芸能」書庫にあります)