京大iPS研究所、パーキンソン病臨床 来年内の開始目指す
2014.3.7 08:00(産経)
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使ったパーキンソン病の治療を目指している京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授らのグループは6日、ヒトのiPS細胞から安全で効率的に神経細胞を作製・培養する手法を確立したと発表した。同病治療の臨床研究を平成27年初めに申請し、同年中に研究に入る具体的な見通しを明らかにした。手術は28年ごろになる見込み。
iPS細胞を用いた臨床研究では、理化学研究所が進める目の難病「加齢黄斑変性」に続く2例目になる。
高橋教授らは、ヒトのiPS細胞から神経細胞を作製する際に、余分な細胞が混ざらないよう選別する培養法を確立。米科学誌ステム・セル・リポーツの電子版に7日、研究成果が掲載される。
これを受け、昨年11月に成立した再生医療安全性確保法に基づいて京都大に設置される「特定認定委員会」に対し、来年1月にも臨床研究を申請する。
特定認定委の了承が出れば、厚生労働省による安全性の確認を経て、27年中に臨床研究を開始。京都大病院などの患者から6人前後を選び、本人の血液細胞からiPS細胞を作製し、神経細胞に分化させる。安全性の検証などを行ったうえで、数千万個の神経細胞を患者の脳に移植する手術を28年ごろに行う。
パーキンソン病は、脳内で情報を伝える物質のドーパミンが少なくなり、運動などに支障が生じる病気。難病情報センターによると、10万人あたり100~150人の患者がいると推定されるが、根本的な治療法は見つかっていない。
高橋教授はiPS細胞からドーパミンを出す神経細胞を作って患者の脳に移植する再生医療を目指しており、「10年以内には実用化して、一般の患者が治療を受けられるようにしたい」と話している。
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こんな話を聞いたことがあります。
小さい子はチョロチョロいつも動いているのが、成長とともに無駄な動きが少なくなってきて、これは「落ち着いてきた」と周りが言う。
中年以降、体の動きがぎこちなくなり、敏捷さが無くなって、これは「トロくなった」とか「鈍くさくなった」とか周りが言う。
そして老年になると、明らかにのろくなります。
脳内で神経伝達物質ドーパミンの量が年齢と共に減少するかららしいです。
パーキンソン病はこのドーパミンの量が異常に減る結果、動きが少なく、無表情(顔の筋肉の動きがない)、震えなど体が自分でコントロールできない状態になります。
根治する薬はなく、症状を改善する薬はいろいろ出たものの、副作用に苦しめられ、また耐薬性で効果が落ちてしまうなど、患者さんとご家族は大きな負担でした。
神経細胞を作って移植すればどんどんドーパミンを産生してくれます。
本来人体が持っていた機能が失われることが原因の病気に対して、iPS細胞の技術が大いに期待できます。
こういう報道もあります。
さらに小保方さんのSTAP細胞も後に控えています。
日本の再生科学の進歩、とどまるところを知らず。