奈良県の若草山モノレール構想に批判相次ぐ
2014.7.31 03:59
「若草山の価値を軽視していた」「場当たり的だ」-。若草山(342メートル)に県が敷設を構想していたモノレールの代替案としてバス運行の検討が決まった30日の県の奈良公園地区整備検討委員会。委員からは、県のモノレール構想をめぐり厳しい批判も相次いだ。県側は「若草山を含む奈良公園の活性化問題は、何十年と放置されていた。手厳しい意見もあったが、バス運行案を前向きに検討したい」とし、今後バス案の具体化を進め、活性化構想を前進させたい考えだ。
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この日、県側はモノレールに代わる案として、トンネル整備▽エレベーターやエスカレーターの設置▽馬車、牛車の活用-などの意見が県民から寄せられたと説明。具体化が実現的な案として、バス運行案と熱気球のフライト案などを提案した。
県のバス運行案は、新若草山ドライブウェイから管理者用通路を通って「一重目(いちじゅうめ)」まで到達するルートで、現在、奈良公園周辺などで運行されている「ぐるっとバス」の路線の延長を想定。委員からは「舗装や排ガスなどの問題があるが、1番現実味がある」などの意見があった。
一方、熱気球によるフライト案は、話題性が高いとして提案されたが、気温や天候の影響を受けることから難色が示された。
また、「若草山のにぎわいを、眺望というピンポイントだけで考えていいのか」と疑問視する意見や、「最初からなぜ、こういう議論ができなかったのかと思う」など、議論の進め方そのものに対する苦言も上がった。
検討委の委員長を務める増井正哉・奈良女子大生活環境学部教授は、「若草山は多面的な価値を持っている。(モノレール設置が与える影響も)『見えないからいい』と紋切り型で考えると、後で大変なことになってしまう。県は甘くみているところはあったのではないか」と話した。
県の担当者は「奈良公園を保全し、利活用しようと全体が見えるところまで来た。環境に負荷がない形で、バス案についても考えていきたい」としている。
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一度でも奈良を訪れた人は、若草山を目にした筈です。私は何年生だったか、遠足で行って登りました。
大昔からの行事として、毎年1月には山焼きが行われます。だから木は一本も有りません。これが若草山と呼ばれる由縁でしょう。
別名、三笠山です。笠を三重に置いたような形から、そう呼ばれているらしいです。
「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」
阿倍仲麻呂が唐で月を見て奈良を懐かしんで詠んだ歌ですね。
ブログ「空海とともに」さまから画像をお借りしました。
帝国海軍の旗艦だった戦艦三笠も名を戴いています。
若草山(三笠山)は奈良の人だけの物ではありません。
日本人にとって、とても大切な場所です。
ケーブルカーだのモノレールだの、そんな物は要りません。
バスだと排気ガスが云々とか、そういう問題ではないでしょう。
1300年受け継いできた物は、今後1300年そのままに受け継いでゆこうという気持ちが見えてきません。
県知事はしっかりして頂かないと困ります。
「県政の窓」(意見・提案先)