フジテレビ、人事大異動で現場大混乱 打ち切り候補番組が延命&視聴率低下加速?
フジテレビの視聴率低迷が著しい。2011年度年間視聴率ランキングで、トップの座を8年ぶりに日本テレビに奪われ、12~13年度は3位に転落、月別平均視聴率で4位になる月も出るなど苦戦している。7月14日には、連続テレビドラマ『HERO』の初回が平均視聴率26.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録。久しぶりの明るいニュースに局内は大いに沸いたが、他のレギュラー番組を立て直さない限り、フジの復活はないといえる。
そんな苦境打開を狙い、亀山千広社長は6月27日付で全社員約1500人の3分の2にも及ぶ1000人の人事異動を敢行。10月には番組大改編が行われるとの予想が高まる中、現場は大混乱を来しているという。番組制作会社スタッフはこう話す。
「実は、6月の段階で、10月からスタートする新番組はある程度、決まっていました。数カ月前に、局内に企画書募集の紙が張り出され、制作会社や放送作家が応募。通過した企画に関しては、『10月は始めるから』と通達されていました。しかし、大異動の発表後、『あの話はなかったことで』と複数の新番組の話は白紙になってしまったのです。6月下旬ですから、まだ本格的な始動はしていなかったと思いますが、あまりにひどい話です」
大幅な人事異動により、番組制作会社は割を食った格好となった。
「制作会社にとって、週1のレギュラー番組が1本始まるかどうかは会社の命運を握る死活問題であり、あまりにも下請けを蔑ろにし過ぎです。これでは、さすがにフジとの仕事の仕方を見直さなきゃいけない。ただ、そう強気に出られる制作会社はそんなにないとは思いますが」(同)
そんなフジだが、大方の予想を裏切り、結果的に10月には大きな番組改編は行われず、数多くの現レギュラー番組が継続されるとの見方を、フジ関係者は示す。
「今から新たに企画を募集し、何をするかを決めて現場が動くとなると、かなりの急ピッチになります。やってできないこともないのでが、それで高視聴率番組ができるかというと難しいのが現実す。ですから、終了するはずだった番組が続くケースが結構出てくるでしょう。あまりに大規模な人事異動の影響で、低視聴率番組を終わらせるにも終わらせられない状況ができてしまったため、10月は“大”が付くほどの改編はなさそうです。少しの入れ替わり程度で、大改編は来年に持ち越しでしょう」
改革を断行したものの、低視聴率が続くという摩訶不思議な状況が起きそうだ。さらには、こんな心配事もあるという。
「テレビに限ったことではないと思いますが、人の入れ替わりが激しいと、従来の番組をスムーズに進めることすら難しくなる。お互いが意思疎通をするまでには、それなりの時間を要しますから。そのため、低視聴率番組がさらに低迷する可能性も否めません」(同)
フジ復活への道は険しいといえよう。
(文=編集部)
フジ復活への道は険しいといえよう。
(文=編集部)
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どんな組織であろうと職員を一度に2/3も異動するなら、機能しなくなって当然です。それまでにコツコツと蓄積されてきた職場のノウハウも飛んでしまって、単なるド素人集団に成り下がります。
心機一転を期した「大改革」も、業務を無事に推敲させるための仕掛けなどないなら、意図とは逆方向に進むでしょう。個々の異動には喜怒哀楽が付きまとうもので、もはや社風には勢いが無くなっている可能性もありますね。
これまでよりも更に本格的な凋落が始まると私は予想します。