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Channel: くにしおもほゆ
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石破 破れたり

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2年前に安倍晋三氏が小さい可能性に望みをかけて自民党の総裁選挙に立候補したとき、ほとんど誰の目にも圧倒的に石破候補が総裁・総理になるだろうと見ていました。それだけガッチリと特に党の地方支部の票を掴んでいました。
それが真っ先に安倍支持を打ち出したのが盟友の麻生氏です。麻生氏にはかつて「麻生おろし」を行った石破に許せない気持ちがあったと思います。
谷垣派から石原(伸晃)が反旗を掲げて立候補し、谷垣票が割れるなど、次々に安倍有利に展開しました。決戦投票に持ち込まれ、地方票の石破を国会議員票の安倍が逆転する奇跡が起こったことはまだ多くの人の記憶に新しいと思います。
 
安倍総裁は野田総理との公開討論で「嘘つき」で責め、衆議院年内解散の言質を取りました。実際に衆議院が解散されたのは、もう数日あれば本会議で「人権保護法」が可決成立してしまう本当にギリギリのラインでした。
奇跡に継ぐ奇跡でした。もし役者が〝石破総裁〟では出来なかった芸当だと思っています。
 
三度目の奇跡は、首班指名されたものの、党内基盤がまだまだ脆弱な安倍氏が(敢えて清濁併せ呑んで)パーフェクトなオール自民体制をと確立できたことです。
マスコミが騒いでも自民党がしっかりしていれば何ら問題ありません。マスコミに乗じて党内分子が騒げば政権は瞬く間に瓦解します。安倍氏はこの点で極めて入念に人事の配置をしました。
 
私は安倍政権の政策に全面賛成ではありませんが、常に〝皮を斬らせて肉を斬り、肉を斬らせて骨を斬る〟を巧みにでやっているように思います。
特に人の使い方がそうでしょう。放置すれば危険な勢力を、味方に取り込んで弱毒化してきました。
 
まず石原(伸晃)は環境大臣に使っているあいだに、信じられないような放言を3度も繰り返してほとんど自滅しました。
前総裁の谷垣氏には一応敬意を表するポスト(法務大臣)を割り振っていましたが、もうこの礼遇は終えてよいでしょう。
高村は安倍氏と同郷で、個人的な繋がりが強いようです。親中・韓派ながら、副総裁の名誉職に就かせる一方で、逆に中・韓への巧みなメッセージに利用しています。今後もこの関係は続くようです。石破への睨みを利かせる意味もあるとか。
 
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そして石破ですが、将来の禅譲を期待させるように持っていって、忠誠を尽くさせて600余日運用してきました。
今回は安全保障法制担当相というポストを作って石破氏が最適だという世論を作ったばかりではなく、これは幹事長続投を防ぐ秘策だという〝内輪話〟まで世間に流布させて、まず石破に屈辱感を持たせています。
追い込まれた気持ちになった石破はこらえきれなくなって、幹事長続投希望の発言をしてしまい、党内の一斉非難を受けています。
 
無役になる可能性もかなりありました。麻生氏は石破を無役にするように進言したらしいです。
しかし無役になれば自由に発言できます。自分の存在をアピールするために安倍批判を始める可能性が高いです。彼の過去をみると特にそうです。
前回の総裁選時点でのような力はなくても、反安倍の受け皿になってしまうと、政局の運営に不安定要因を作り出します。
地方担当というのは、恐らく仕事が大きい割に権限は小さくて、いわゆる〝飼い殺し〟にはぴったりだと思います。
石破は入閣を受諾し、「今後も総理を支えてゆく」と語ったとされています。
この瞬間に、石破は安倍に敗れました。さらに存在がひと回り小さくなりました。
ここまでの600余日は自民党はツー・トップ体制。
ここからは、ワン・トップ体制です。
今回も安倍総理、お見事です!!
 
 丁度いま安倍・石破会談の詳報が産経から出ましたので、追加して貼らせて頂きます。
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首相と石破氏、亀裂回避も残ったしこり 追い詰められ受諾

2014.8.30 14:31(産経)
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安倍晋三首相との会談を終えた石破茂幹事長=29日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)
 
 9月3日の内閣改造と自民党役員人事で、石破茂幹事長の処遇をめぐる安倍晋三首相と石破氏の対立劇は29日、両者が直接会談して歩み寄ったことで、亀裂が決定的になることは避けられた。ただ、石破氏を支持するグループには幹事長を交代させることへの不満がくすぶっており、2人の距離は縮まってはいない。
 「よくやってもらってます…」
 29日午前11時50分から首相官邸で始まった「直接対決」。昼食の弁当を前に首相は石破氏にこう語り、これまでの党運営に対し労をねぎらった。ただ、その言いぶりは幹事長交代を前提にしたものだった。
 
しかし、首相と石破氏の間にしこりが残ったのは間違いない。
 そもそも首相に石破氏を幹事長に留任させる考えはなかった。今年12月に前回衆院選から2年が経過し、折り返し地点を迎える中で、来年は衆院解散も視野に入る。自民党が一丸となって勝ち抜くためには、気心の知れた人を幹事長に据えたいのが首相の本音といえる。無役にすることで石破氏が「反安倍」の受け皿になることを避けたい、との思いもあったようだ。
 
 首相に取り込まれることを危惧した石破氏周辺には首相と距離を置く「主戦論」が一時高まったが、首相は「二の矢」として来春の統一地方選をにらんだ改造の目玉ポスト、地方創生担当相を用意。石破氏は追い詰められたとの見方は強い。首相は地方創生を政権の浮沈をかけた施策と位置付けており、安全保障法制担当相に続き地方創生相も固辞すれば、石破氏のイメージダウンは避けられないからだ。

×  ×  ×
    
 もっとも、新設ポストのため権限は曖昧だ。地方活性化の部署は各省庁に分散しており、地方創生相は省庁横断的に地域振興策を取りまとめなければならない。各省庁の省益に阻まれない強力なリーダーシップが必要になるが、首相が石破氏にどの程度の権限を与えるのかは不透明だ。地方再生を軌道に乗せられなければ、責任を負わされるリスクもつきまとう。
 
 それだけに、「幹事長を続投できなければ、無役になって来年の党総裁選に備えるべきだ」と主戦論を唱えてきた石破氏周辺からは「これ以上ついていけない」との声も漏れ、石破グループに亀裂が入りかねない事態となっている。これこそ首相の狙いだったとの見方もあり、結局、無役にさせず粘った首相に軍配が上がったといえそうだ。
 石破氏は29日夜、鹿児島市内で記者団に地方再生について「人事と関係ない話という前提」と前置きした上で「政策を変えていかなければ地域は再生しない。かけ声だけで再生しない」と強調した。同時にこう語り、総裁選出馬に消極的な姿勢をにじませた。
 「首相が2年や3年でころころ代わってはいかん。安倍さんにその思いがある限り支えるのだ」
(力武崇樹、峯匡孝)
 

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