クローン技術で増殖した京都・北野天満宮の梅、左遷の菅原道真を追った「飛梅」ゆかりの苗
学問の神様で知られ、梅を愛した菅原道真をまつる北野天満宮(京都市上京区)と住友林業は4日、本殿前にある「飛梅(とびうめ)伝説」ゆかりの梅の苗木を、クローン技術で増殖させることに成功したと発表した。特効薬がないウメ輪紋ウイルス(PPV)など病害対策に役立つことが期待される。
苗木が増殖されたのは推定樹齢300年の紅梅で、幹回り約2・7メートル、樹高約5メートル。左遷された道真を追って京都から福岡・太宰府へ飛んだという飛梅伝説ゆかりの御神木とされる。
近年は衰えが目立っていたほか、各地の梅林でPPVの感染被害が多発したことから、北野天満宮と住友林業が保存方法を検討。冬芽の先端を組織培養し、5年余りかけて高さ10~15センチの苗木6本を作ることに成功した。50センチ以上に成長する数年後に植栽する。
住友林業は同様の手法で醍醐寺のしだれ桜や仁和寺の御室桜などを増殖させているが、梅での成功は初めて。橘重十九(しげとく)宮司は「天神信仰の象徴である梅を大切に守りたい」と話した。
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植物は動物よりもクローンが容易です。
古来の「挿し木」も広い意味でクローンですが、挿し木が出来る植物と出来ない植物があります。
花が重要な桜や梅(近縁です)に、芽の先端を培養したこの技術は良いですね。
木として一応の風格が出来るまで立派に育ててほしいです。
若い苗を指さして「これがご神木」と言われても、有難さは感じられないですから。
古木や大木にこそ、日本人は精神性を感じ取ってきました。