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H3ロケット開発へ 32年度打ち上げ  技術の飽くなき前進

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H3ロケット開発へ 32年度打ち上げ 三菱重主体で

2013.5.17 21:20(産経)宇宙
次期の主力となる大型ロケット「H3(仮称)」の想像図。斜めに打ち上げる方式も検討されている(宇宙航空研究開発機構提供)
次期の主力となる大型ロケット「H3(仮称)」の想像図。斜めに打ち上げる方式も検討されている(宇宙航空研究開発機構提供)
 
 政府の宇宙政策委員会の部会は17日、国産大型ロケット「H2A」の後継機「H3」(仮称)を開発する方針を固めた。総額約1900億円を投じて来年度から開発に着手し、平成32年度に初号機の打ち上げを目指す。大型ロケットの開発は8年のH2A以来。民間主体の開発を検討し、コスト競争力の強化を狙う。
 
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したH2Aはこれまで22回打ち上げられ、95・4%の世界最高水準の成功率を達成。しかし、打ち上げ費用が約100億円と欧州より割高なうえ、搭載する衛星の大型化に対応できておらず、国際競争力に乏しいことが課題になっていた。
 後継機はH2Aの製造元である三菱重工業を主体に開発する方向で検討中で、民間のノウハウを活用して競争力を高める。JAXAは技術支援や発射場の管理などを行う見込み。
 
 会見した部会長の山川宏京都大教授は「世界のロケット開発は民間に移行しており、日本も抜本的に見直すべきだとの意見が委員の大勢を占めた」と述べた。今月中にも宇宙政策委員会で正式決定する。
 後継機の打ち上げ費用はH2Aの半額を目指す。文部科学省は多額の開発費を考慮しても、H2Aの運用を継続する場合と比べて長期的にはコスト削減につながるとみている。
 後継機はJAXAが研究してきたが、今年度からの新宇宙基本計画に開発が盛り込まれず、同部会が今後の方針を検討していた。
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実はこの構想は2年半前に出て、詳細が明らかにならないままに、一旦表面的には消えたので、大プロジェクトのアドバルーンだなとは感じていましたが、いよいよ出ました。
衛星受注の強敵であるヨーロッパ連合のアリアン・ロケットは赤道に近いギニアから打ち上げて、そのまま赤道上空を回ります。日本は種子島の緯度からなので、決定的に不利なハンディがあるのです。
 
このハンディを克服するための改良として、H2Aロケットは第二段が上昇の途中で一旦エンジンを停止して、慣性で上昇してから、もう一度点火する方法で燃料を節約し、この分さらに高高度まで衛星を運べる、あるいは重い衛星を打ち上げることが可能になります。他にもいくつか改良点があり、この改良型H2Aロケットは来年打ち上げの予定です。
 
さらにこれとは別に、固体燃料で小型の「イプシロン・ロケット」も開発が進んでいます。これは整備・打ち上げ・誘導など、かなり少人数で行なえるように開発したロケットでもあります。
 
これら新しい技術を全て取り込んで、さらに部品数を減らしてコストを削減してH3が開発されます。
 
さてH3ロケットは、どんなロケット?超巨大でしょうか?
いえ、サイズはあまり変わりません。高さは逆に少し低くなります。
ただ将来の有人飛行に繋ぐことができるロケッロであることは確かでしょう。
ロケット1基の打ち上げ費用の半減を目指します。
その分、多く衛星が打ち上げられて、打ち上げ回数が増えます。
するとますますコストダウンで、世界中の衛星打ち上げのメジャーになるのも夢ではありません。
 
この図は国際宇宙ステーションへの輸送に使われているH2Bロケット(左)とH3ロケット(右)の比較です。重量が非常に軽くなって、その分パワーが出ます。
 
イメージ 1
 
 

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