Quantcast
Channel: くにしおもほゆ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8894

朝日新聞の広告に健康食品や旅行会社が多い理由は (これ重要)

$
0
0
私は朝日新聞に広告を出す企業について何度も書いてます。
その作業のために朝日新聞をチェックするたび、プロパガンダ記事は言うに及ばず、広告欄にも何か異質なものを感じながら、それが何なのかは明瞭ではありませんでした。
先日も朝日への広告掲載料がダンピンング状態になっているらしい件を転載記事の引用に書きました。『[転載] 朝日新聞70万部減の惨状。
そしてその準備に情報検索していて、更にとても重要な資料を見つけたのです。

結論を言うと、健康食品や旅行会社の広告は、新聞社にとってあまり儲からない広告だったのです。
また朝日出版など朝日系列企業や朝日新聞自社の企画の広告が多いのは広告が集まらなくて、急場しのぎの穴埋めだったのです。
今年夏の渡邊哲也氏が投稿された経済記事を見れば、早くも新聞の経営に黄色信号が灯っていることが分かります。
産経ニュースは他のメディアのネット記事に比べてアップ期間が長いですが、保存しておかないとそのうち消えてしまうので、敢えて全文転載しました。

日経 2015.7.19 10:48更新
穴埋め広告が急増…新聞広告から見る朝日新聞の経営状況  渡邉哲也
 私は経済評論家なので経済的側面から朝日新聞を考えてみたい。

 朝日新聞とは「株式会社朝日新聞社」が発行する日刊の商業紙である。朝日新聞社は株式会社形態を取る「営利を目的とした私企業」にすぎない。そして、その収益は、読者の払う新聞の購読料と「広告収入」により成り立っている。そして、新聞社の最も大きな収益源は販売店に手数料が入るチラシではなく、本紙に印刷されている「本紙広告」ということになる。(iRONNA

 基本的に、新聞の広告代金は時価であり、明確な定価が存在するものではない。しかし、一応の目安は存在し、朝日新聞の場合、全面(15段)で4000万前後というのが朝日新聞社側が提示している参考価格ということになる。そして、この価格は年間の出稿回数や曜日、何面に掲載するか、期日の指定があるのかなどにより、いかようにも変動する。要は需要と供給の市場原理で決まっているわけである。 簡単に言ってしまえば、朝日新聞に広告を出したいと思う広告主が多ければ高くなり、少なくなれば安くなるわけである。また、突然広告主が降りてしまったり、広告が集まらなくなった場合、これが「タダ同然」で販売されるケースも存在するのである。いわゆる穴埋め広告である。その意味では新聞広告というのは、新聞社の経営の健全性を測る一種の目安になるといってよいのだろう。

 では、どんな広告が高いのかということになる。基本的に期日の決まったカラー広告は高い。例えば、何かのイベントに合わせた企業のイメージ広告や新発売に合わせた新商品の広告などがそれにあたる。このような広告は単価も高いため、上場企業など有名企業でなければなかなか出せない。このような広告が多ければ新聞社の経営がうまくいっていると見て良いのだろう。
 逆にどのような広告が安いのかといえば、

1.健康食品などの通販広告
2.旅行会社などの広告
3.書籍などの出版物の広告

 ということになる。新聞の紙面がこのような広告であふれていたら、経営的には黄色信号と見て良いのだろう。そして、一番危険なのは、系列会社や自社イベントの広告や社会啓蒙などの公共広告である。これは広告主が集まらず、穴埋めのために仕方なく入れた広告である可能性が高いからである。

 実は、新聞に掲載することが出来る広告スペースは法律や規定で決まっている。新聞は郵便料金が安くなる第三種郵便の承認を受けており、この規定により全紙面の50%までとなっているわけである。そして、公職選挙法により、選挙報道を行うにはこの第三種郵便の承認を受けている必要があるため、事実上、紙面の50%に制限されているのである。そして、どこの新聞社も最大限の利益の確保のため、このギリギリのラインを広告スペースにしているわけだ。朝日新聞の場合、平均で40ページ程度なので20ページ分が広告スペースとして確保されているわけである。

 新聞社の営業はこのスペースを埋めるために必死に営業を行うわけであるが、どうしても埋まらない場合、先ほどの穴埋め広告で誤魔化すしかなくなるわけである。単純に考えれば、広告が集まらないならば、記事を増やすことで対応すればよいのであるが、政治部や社会部など部別にある程度枠が決まっており、これを変えるのは簡単ではない。また、年間の使用量に合わせ紙やインクを確保している為、紙面を減らすのも容易では無いのである。

 そして、朝日新聞には紙面を減らせない別の理由も存在する。なぜなら、全国紙の他紙よりも高いからである。競合する読売と毎日新聞が130円 産経新聞が110円であり、朝日は150円だからである。他紙よりも高い以上、ある程度のボリュームがなければ今以上の割高感が出てしまうからなのである。そのため、広告主がいなくなると穴埋め広告が増えるわけである。

 昨年、朝日新聞問題が起きた時、穴埋めと思われる子会社の広告が急増した。これは広告主が企業イメージの悪化を恐れ、広告出稿を取りやめたことに起因するものと思われる。また、このような子会社の広告にはもうひとつの問題も存在する。いくら子会社とはいえ、別法人である以上、広告費を払っているはずであり、これが朝日新聞の売り上げとして計上されているものと思われる。これを悪用すれば、一種の売り上げの粉飾も可能なのである。100%の連結対象であれば、最終的に親会社子会社の間で利益と経費が相殺されるため、最終的には調整されるが、見た目の売り上げをよく見せることが出来るわけである。

 6月25日に公表された朝日新聞決算書(2014年4月から2015年3月)によると 新聞事業4033億2500万円(前年比-7.9%)、セグメント利益29億8300万円(前年比-54.7%)と大幅な業績悪化が生じていた。また、この数字は問題が発生する前の数字を含んだものであり、問題発生後だけで見ればもっと厳しかったのだと想像できる。朝日新聞は新聞事業の売上の明細を公表していないため、具体的な実態をつかむことは出来ないが、この業績悪化の大部分が広告収入の減少によるものであると思われるのである。

■渡邉哲也(作家・経済評論家) 
 1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告しベストセラーになる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。 



Viewing all articles
Browse latest Browse all 8894

Trending Articles