記事のタイトルに「???」の方が多いと思います。無理もありません。
「はやぶさ2」は1年前に打ち上げられています。
小惑星に向かってどんどん進んで行ってると思われがちですが、本当は地球と同じように公転しながら1年目に地球に最接近するのを機に、「スイング・バイ」といって軌道変更と加速を同時に得るJAXAお家芸の職人ワザをやったのです。
地球から運動エネルギーをもらって、ここから小惑星「リュウグウ」に向かいます。
第一段階がまず成功です。
ところで、産経新聞は科学記事でも充実しています。情報量も多く、踏み込んで尚且つ優しく書いてくれています。更に科学記事の根底に科学立国の国是がしっかりと
しているのです。
産経ニュースで「科学」は「ライフ」の中のひとつの項目です。
普段見落としがちになるので、重要なものをどんどん紹介してゆきます。
探査機はやぶさ2、小惑星へ進路変更 成否判明は来週以降
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が3日夜、目的地の小惑星「リュウグウ」に向かうため、地球の引力を利用して軌道を変更した。探査実現に欠かせない重要なステップで、正しい軌道に乗ったかは10日以降に判明する。
計画では、はやぶさ2は3日午後7時8分、米ハワイ付近の高度3090キロで地球に最接近。相模原市にあるJAXAの管制室では、研究者らが緊張した様子で機体の状態を示す画面を見守った。
取材に応じた津田雄一プロジェクトマネージャは「気が抜けない運用を続けている。管制室には打ち上げ時のような緊張感がある」と話した。
はやぶさ2は太陽の周りを回る地球に対し、後ろから追い掛けるように接近。軌道は引力の影響で曲がり、小惑星へと進路を変える。地球の運動エネルギーを受けてスピードも秒速約1.6キロ加速する。
この方法はフィギュアスケートのペア競技で、滑走する男性が女性の手を取り、回転しながら手を離すと女性が勢いよく滑っていく様子に似ている。
軌道を正確に計算し、機体の位置を制御することが成功の鍵を握る。日本は昭和62年以降、この方法による軌道変更を5機の探査機で計約30回実施し、1回を除いて成功させている。