新世代のX線天文衛星ASTRO-Hの打ち上げ日が、2月12日(金)に決まりました。
H-IIAロケット30号機により、種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。
まずはX線についてお話します。病院でお馴染みのX線です。
人間の目に見えるのは赤から紫までの波長の光だけです。
余談ですが、ヘビは赤外線の一部、昆虫は紫外線の一部が見えるらしいです。
赤外線は波長が長くてコタツに使うくらい穏やかです。
波長が短くなればなるほど、強いエネルギーを持ち、X線は人体も透過するのです。
このX線で宇宙を見ると、普通の望遠鏡では見れない物を見ることができます。
これはNASAが撮った画像ですが、この画像の中央に小さい白い点が見えますか?それが中性子星です。
太陽よりずっと重たい星は、老化すると最後に超新星爆発を起こします。爆発エネルギーにより、星の中心部は圧縮されて中性子星やブラックホールになります。
こういう目に見えない宇宙を観測する天文衛星です。
巨大ブラックホールが放つX線を捉えて宇宙の構造や進化の解明を目指します。
形は筒形で、望遠鏡部分を伸ばすと全長約14メートル。望遠鏡を4台搭載します。
「アストロ-H」は、8月に観測を終えた天文衛星「すざく」の後継機です。
こちらは先代の「すざく」(想像図)です。やはり鳥みたいな形ですね。
2年間の耐用設計でしたが、何んと9年も頑張ってくれました。
「アストロ-H」はNASAと共同開発し感度を10~100倍に高めています。
打ち上げ費を含む総開発費は約400億円。