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Channel: くにしおもほゆ
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海底の鉱物資源を探る新鋭の広域研究船「かいめい」が完成

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海洋研究開発機構の大型で新鋭の海底広域研究船「かいめい」(5,747トン)が完成しました。
この船は昨年6月に進水し、支えのロープを斧で切断されたのが秋篠宮家の次女である佳子内親王殿下です。佳子殿下にとっては初の単独のご公務で、実に華やかな良い機会があったものです。

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さて、産経が分かりやすい紹介記事を出してくれたので、これを貼ります。
ところで記事末尾には、研究での航海が来年度となっています。
護衛艦でも新鋭の機器を含めて慣熟訓練にそれ程期間をとりません。

中国は国益重視で、船は立派でなくてもとにかく調査をして権利を主張します。
「かいめい」もとりえずは出航して、現場の海域で訓練を兼ねて調査してゆけば良いのではと思います。精密な機器、操作の難しい機器も含めてです。
海洋開発機構の余りにもゆったり感覚からは、国益を重視した危機意識を感じることができません。

船内を探検…海底資源の謎に迫る 獲得へ「武器」満載
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 日本周辺の海底には大量の鉱物資源が眠っている。これを利用して持続的な経済成長につなげるため今春建造されたのが、最新鋭の海底広域研究船「かいめい」だ。完成したばかりの船内を探検してみた。(伊藤壽一郎)

 「海底資源の研究に必要なことが1隻で全部できる世界初の船です」。建造プロジェクトを牽引(けんいん)した海洋研究開発機構の月岡哲(さとし)調査役は、東京湾岸に停泊中のかいめいを背に、こう出迎えてくれた。
 三菱重工業が207億円で建造し、3月に完成した。全長約100メートル、全幅約20メートルの船体を見上げると、まるで切り立った崖のようだ。海洋機構がつくった研究船の中で最も大きい。

 日本の領海と排他的経済水域(EEZ)の合計面積は世界第6位と広い。海底地形は多様性に富み、金や銀などが堆積する熱水鉱床や、ハイテク機器に必要なコバルトやニッケルを多量に含む鉱物塊のコバルトリッチクラスト、レアアース(希土類)を高濃度に含むレアアース泥などが近年、見つかっている。
 これらを採取し資源として利用するには、広い海域のどこに、どのような状態で分布しているかをまず把握する必要がある。謎に包まれたその実態を解明するのがかいめいの目的で、船名にその狙いが込められている。

立体画像で透視
 真新しい船内は、塗ったばかりのペンキのにおいが漂う。「まだピカピカだが、これから数多くの航海で徐々に年季が入っていくのが楽しみだ」と、月岡さんは説明を始めた。
 海底資源の分布調査の基本は、海底地形図を作成することだ。船底から発射した音波が海底から反射する様子を解析して行う。
 熱水鉱床は海底から熱水噴出孔が煙突のように突き出ているため、この手法で見つかる。だが、海底を覆う鉱物がコバルトリッチクラストなのか判断したり、海底下のレアアース泥を探したりするには地殻構造を知る必要がある。

 かいめいは海底下の地殻構造を高精細な立体画像で透視できる。多くの音響センサーを備えた長さ300メートルのケーブルを20本、すだれ状に並べて曳航(えいこう)し、船体から低周波の音波を発射する。
 音波は海底面だけでなく海底下のさまざまな地層で反射するため、これを2千個近い音響センサーでキャッチして解析すると、地殻構造が見えてくる。
 センサーケーブルは計1万2千メートル分を搭載。海底の断面だけを見る探査では全てを1本につなぎ、低解像度の立体探査では3千メートルを4本にするなど、目的に応じて組み替える。こうした方式は世界に例がないという。

巨大な6本の爪
 広い甲板に出てみると、高さ4メートルを超える「パワーグラブ」と呼ばれる試料採取装置2基が置かれていて、その巨大さに圧倒された。
 コバルトリッチクラストやレアアース泥がよく見つかる水深6千メートルの海底から、一度に最大3トンの試料を採取できる装置だ。6本の爪を持つタイプはまるでクレーンゲームのように岩石などをつかみ取り、貝殻のようなシェル型は泥や砂などをすくい取る。
 熱水鉱床が多い水深3千メートルの海底で、岩盤を30メートル掘り下げられる装置も備える。

 水深1万2千メートルの海底で、堆積した地層を筒状にくり抜いて採取する装置も搭載した。採取試料の長さは40メートルで、海洋機構が世界に誇る地球深部探査船「ちきゅう」よりも長い。海底の堆積層は深いほど古いため、資源探査だけでなく、地球の成り立ちの研究にも役立つという。
 採取した試料は全て船上で分析できる。乗り組んだ研究者が、その場で分析結果を把握できるため、研究が機動的に進むと期待されている。
 海底鉱物の資源化に向けて心強い武器になりそうだが、運用には船体や装置への理解や慣れが必要で、研究活動での航海開始は2017年度。海域は未定だ。国際的な海底資源の獲得競争が激化する中、そんなスピード感で大丈夫なのだろうか。
 月岡さんは「十分な慣らし期間を取った方が将来的に安全で高度な活動が可能になる。日本の資源開発や経済成長に貢献する日が待ち遠しい」と期待を込めた。





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