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[転載] 冷たい推算式―大分の国内最大出力メガソーラー、稼働率14%

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ZEROさまのブログ『日出づる処の御国を護り、外国までも率いん心』より転載させて頂きました。
 
(以下、転載記事)
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冷たい推算式―大分の国内最大出力メガソーラー、稼働率14%

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  再三繰り返しているが、私(Zero)は「福島原発事故を経てなお原発推進論者」だ。だが、東京新聞はじめとする「脱原発原理主義者」とは異なり、「原発推進論」を【原理】=「至上至尊にしてすべてを犠牲にしても構わない至高の目的」等とは、全く考えていない。それどころか「原理主義」を「人類最強の武器」と私(Zero)が信じる「知性と理性」に反する「思考停止」をもたらすモノとして、忌み嫌っている。無論、私とて神ならぬ身の人であるから、偏見(※1)やら思考停止やらと「無縁」なんて事は期待するだに虚しかろう。唯、可能な限り避けようと考えるし、その為には「他人・他者の言う事」には、少なくとも「謙虚に耳を傾けるべきだ」とは考えている。言わば、神ならぬ身の人である事を重々承知の上で、人として「神に近付く」努力は欠かすまい、と、心がけている

 それ故に、私(Zero)の様な原発推進策であろうが、東京新聞はじめとする脱原発原理主義者が唱える脱原発政策であろうが、「エネルギー政策の一手段」である事に変わりはない、と考えてい。而して「エネルギー政策」と言うモノは、何を為すモノかと言えば、これはもう、見通せる将来にわたって「電力の安定供給」の一事に尽きる。

 而して、電力の安定供給と言う意味では、「今を時めく」再生可能な自然エネルギー、特に太陽光や風力と言うのは、鬼門と言うか、鬼っ子と言うか、厄介者と言うか・・・「私の自然エネルギー推進論(※2)」にも縷々のべたとおり、「発電量が出来高=制御出来ない」上に「現時点に於いては大容量高効率の蓄電システムが無い」ものだから、少なくとも当面の間、発電力の主力ではありえない。

 かてて加えて太陽光にしても風力にしても、その稼働率の低さは、それこそ目も眩むばかりで、太陽光で稼働率1割。風力で2割と言うところ、らしいのは「冷たい方程式(※3)」シリーズ、「冷たい推算式」シリーズで随時記事にしている処。つまりは「○MWのメガソーラー発電所!」に「○MWの発電量」を期待したとしたら、その「○MW」の約9割は、代替の「発電量制御可能な発電所」が供給しているのに違いない、と言う事。「発電量制御可能な発電所」と言うのは、真っ先に水力、ついで火力、さらには原子力発電所だ。尤も、太陽光の「時々刻々変動する発電量」に追随できる高応答性を有するのは、水力と火力であるから、太陽光、風力の発電は国産エネルギーだぁぁぁぁ!」と息んだ処で、それは水力発電所の貯水量や火力発電所の燃料消費量を、僅かばかり節約しているに過ぎない…ってのは、従来の「冷たい計算式」「冷たい推算式」両シリーズの結論だ。

 さて、今回報じられて居るのは、大分の日本国内最大出力メガソーラーだが・・・



<注釈>


(※1)「偏見」とか「ステレオタイプ」と言うのは、ある種の「思考停止」と見る事が出来る。 





大分に国内最大出力のメガソーラー完成 日揮が80億円で建設
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130514/biz13051412350015-n1.htm

2013.5.14 12:32

日揮が大分市の臨海工業地帯に建設した大規模太陽光発電所=14日午前 プラント建設大手の日揮(横浜市)は14日、大分市の臨海工業地帯に建設した大規模太陽光発電所(メガソーラー)の完成式典を開いた。同社によると、出力は2万6500キロワットで、稼働中のメガソーラーでは日本最大という。

川名浩一社長は「最先端の技術力を結集した。メガソーラー分野でも大分から世界へ飛躍していきたい」と意欲を示した。広瀬勝貞大分県知事ら約90人が参加。

昨年9月に日産自動車から借りた35万平方メートルの敷地で着工。ことし4月末完成し、5月1日から九州電力への売電を始めた。投資額は約80億円で、年間発電量は一般家庭約9千世帯分に相当する。

周辺では丸紅や三井造船もメガソーラー建設を進めている。


推算式


 さて、例によって、はじめようか。


1〉同社によると、出力は2万6500キロワットで、稼働中のメガソーラーでは日
本最大という。

と、報じられて居るから、例によって此の出力で「24時間365日発電した場合の発電量」をまず計算する。この「24時間365日発電した場合」ってのが、如何に太陽光発電にとって荒唐無稽かは、説明するまでも無かろう。だが、火力発電や原子力発電、はたまた水力発電でも「24時間365日発電した場合の発電量」を基に稼働率を計算するんだから、条件は対等。「原理的に夜は1kwも発電出来ない」のは、太陽光発電の原理的欠点だ。

 26,500kw × 24h × 365日 = 232140000kwh/年 式(1)

 これに対し、実際の発電量は、

2〉投資額は約80億円で、年間発電量は一般家庭約9千世帯分に相当する。

と報じられて居る上記2〉「年間発電量は一般家庭約9千世帯分に相当」と、以前「冷たい方程式」シリーズで算出した「日本の一般家庭1世帯の年間電力消費量3600kwh/年」を基に推算すれば・・・

 9000世帯 × 3600kwh/年・世帯 = 32400000kwh/年 式(2)

 上記式(2)と式(1)から、上記2〉で報じられる「目論見通りの発電量が得られた場合の稼働率」が計算できて…

 32400000kwh/年 ÷ 232140000kwh/年 = 0.1396 ≒ 14% 式(3)
 
となる。稼働率14%と言うのは、我が国の太陽光発電所としては中々優秀だ。新技術で発電効率が上がるか何かしたのかも知れない。

 それでもやっぱり「稼働率はひと声一割」でしかない。もう少し頑張ると、「稼働率、辛うじて二割」には行けそうだ。だが、先述の通りその低い稼働率をカバーするのは、発電量が制御可能な水力発電や火力発電なのであるから、此の国内最大メガソーラーも、「水力発電所の貯水量や火力発電所の燃料消費量を、僅かばかり節約しているに過ぎない」点に変わりはない。

 因みに、上式(2)から、このメガソーラーの発電量を全て42円/kwh(※1)と言う、未だ続いている高価格で電力会社が買い続けるとすると、年間売上高は、以下の様に計算できる。

 32400000kwh/年 × 42円/kwh = 1360800000円/年 = 13.608億円/年 式(4)

 上記(2)で言う「投資額約80億円」は、

 約80億円 ÷ 13.608億円/年 = 約5.9年 式(5)

 最短は約6年で、このメガソーラー施設は減価償却出来る勘定だ。
 まあ、「42円/kwh」なんて「太陽光発電量価格」が、続けば、の話だが。



<注釈>


(※1) 水力発電の3倍。火力・原子力発電に対しては、4倍近い高価格。 
 

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