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[転載] 稼働率は、太陽光で1割、風力で2割ですが、何か?-「再生エネ、原発6基分の発電容量に 昨年11月までの1年余りで」はあくまで発電容量

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ZEROさまのブログ『日出づる処の御国を護り、外国までも率いん心』より転載させて頂きました。
 
(以下、転載記事)

稼働率は、太陽光で1割、風力で2割ですが、何か?-「再生エネ、原発6基分の発電容量に 昨年11月までの1年余りで」はあくまで発電容量

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 「再生可能な自然エネルギー」と言う極めて耳触りの良い言葉だが、電力需要を賄う発電力としては如何に不甲斐なく当てにならないか「私の自然エネルギー推進論」で論じた処(*1)。「大容量高効率な畜電技術が開発・普及しない限り、バイオマス以外の"再生可能な自然エネルギー"は発電原理からして発電力の主力たりえない」と言うのが結論だ。
 
 その結論は未だ小揺るぎもしていない(*2)のだが、「再生可能な自然エネルギー」と言う言葉の耳触りの良さは、原発再稼働にある程度(*3)積極的な産経新聞からして、こんな記事を掲載せしめている様だ。

 

<注釈>

(*1) もう、随分前の記事だと思うが、特段追記補足する事は未だに無いように思う。 
 
(*2) ウラン埋蔵量が少ないため、火力発電の方が長期的に有利だ。」と言う説が、現時点での「私の原発推進論」に対する最大・最強の攻撃。これとて「今ある原発を再稼働し、今あるウランを原発に使って発電する」事は、小揺るぎもさせていない。 
 
(*3) 私(ZERO)程ではないにせよ 
 
再生エネ、原発6基分の発電容量に 昨年11月までの1年余りで
2014.2.21 18:18
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140221/plc14022118190017-n1.htm
 経済産業省は21日、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」が2012年7月に始まってから13年11月までに、新たに稼働した太陽光や風力などの発電設備容量(発電能力)が計645万3千キロワットだったと発表した。国内の標準的な大型原発の6基分に当たる。
 太陽光がほとんどで625万8千キロワット。風力は7万2千キロワット、バイオマス発電が11万8千キロワットなど。
 同時期に国が認定した設備容量は2796万9千キロワットに達するが、認定を受けても運転を開始していない業者が目立ち、問題になっている。
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稼働率が低いうえに、発電量は自然任せなのが、太陽光・風力発電ですが、何か?

 さて、如何だろうか。
 
 「事実を淡々と報じただけ」とも言えそうな記事だが、昨今「日本では大いに増えた( と言っても、発電実績で1%が1.6%になっただけ 再生可能エネルギーが「原発6基分の発電容量になった」と言う記事。「日本の原発約50基が稼働停止しているのだから、1割ぐらいは再生可能エネルギーで取り返した!」と考えるのは、相当な早とちり・オッチョコチョイだ(*1)。
 本記事タイトルにした「太陽光で1割、風力で2割」と言う稼働率は、当ブログの「冷たい計算式/推算式」シリーズによる。因みに「冷たい計算式」と「冷たい推算式」の違いは、「計算式」の方が「引用した記事にある数字だけで、稼働率が計算できた記事」であり、「推算式」の方が「○○世帯の消費電力をまかなう」などの表現が引用した記事にあり、「日本で1世帯が1年間に消費する電力量」を他の記事から推算した結果から「○○世帯の消費電力」を「消費電力量」に換算して稼働率を計算している。

 ついでにこれらの当ブログ記事で言う「稼働率」とは、「1年間に発電し供給する発電量[kWh]」の「1年間24時間365日定格/最大発電能力を発揮した場合の発電量[kWh]」に対する割合。「1年間24時間365日定格/最大発電能力を発揮」というのが、夜間は発電できない太陽光発電や無風の時は発電できない風力発電に対しては「非現実的な仮定」である事は重々承知だ。が、「発電所として期待される発電量の最大値」としては「1年間24時間365日定格/最大発電能力を発揮」であるし、その点は火力・水力・原子力・風力・太陽光・地熱・潮汐力etcどの発電方式であろうと変わりはあるまい。必要なのは、電力需要に見合った発電量であり、「夜間は発電できない」とか「無風では発電できない」のは、太陽光や風力の「発電方式としての都合」でしかない。何力で発電しようとも、発電所である以上、最大で「1年間24時間365日定格/最大発電」が期待される、と言う考え方だ。
 
 尤も、再三繰り返す通り火力・水力・原子力は「発電量が制御可能」であり、「発電量は出来高=わざと発電しない事は出来るが、発電する際はその条件下の最大発電」である太陽光や風力とは意味が異なるのも承知している。「太陽光や風力の稼働率」は、「所与の自然条件下で最大限発電した発電量に依る」のに対し、「火力・水力・原子力の稼働率」は「電力需要に合わせて発電量を制御=抑制した結果」である。貯水量と言うある種自然現象に依存する水力とは異なり、火力や原子力はメンテナンスや点検(*2)時期を除けば「24時間全力発電」が可能であり、年間通じて10割とは行かぬが相当に高い稼働率まで可能である。その「高い稼働率が可能な原発」と「目一杯発電しても稼働率1割の太陽光や2割の風力」を「発電容量で比較した」のが上掲記事。経産省の発表とは言え、「発電容量での比較」は、あまり意味が無い。
 
 見出しには「再生エネ、原発6基分の発電容量に」とあるから結構刺激的であるが、原発の稼働率を8割と仮定すると、稼働率で太陽光の8倍、風力の4倍であるから、「再生エネ 原発1.5基分以下の発電量」となる。尤も、先述の通り原発は「発電量が制御可能」であるから、電力需要に応じて発電しており、実績稼働率は3割程度であった。
 
 無論、現状は「原発稼働ゼロ」状態が続いているから、現状からすると再生エネ 原発∞基分の発電実績!!!」という事も可能だ。何しろ「発電実績ゼロ」なのだから、自転車のライトを点灯する発電機でさえ「原発∞基分の発電実績!!!」と主張出来るのだ
 
 自転車点灯用発電機で原発∞基分の発電実績!!!」なんて荒唐無稽な主張は脱原発原理主義に忙しいアカ新聞どもにも見当たらないが、こんな主張を社説に掲げてしまうようでは、なぁ。

 

<注釈>

 

(*1) そんな早とちり・オッチョコチョイを誘発するような見出しになっているが。 
 
(*2) これに、原発の場合は数年に一度の炉心交換が加わる。 
 
【毎日社説】:風力発電 もっと増やせるはずだ
毎日新聞 2014年02月24日 02時30分
http://mainichi.jp/opinion/news/20140224k0000m070120000c.html
【1】 日本で再生可能エネルギーが総発電電力量に占める割合は2012年度で1.6%(水力を除く)に過ぎない。10年度の1.1%からは増加したものの、世界の動向から取り残されていることは間違いない。

【2】 欧州をみると、水力を除いた再生エネの比率は12年の推計値でスペインが23%、ドイツが19%、英国が10%で日本とはけた違い。(*1)米国でも5%以上を占める。

【3】 中でも、日本がもっと増やせるはずなのに滞っているのが風力発電だ。13年末の総設備容量は中国が1位で、米国、ドイツ、スペインと続き、日本は18位。電力需要に占める割合は12年でわずかに0.5%。デンマークの30%やスペインの18%に遠く及ばない。

【4】 欧州に比べて適地がないわけでも、風況が悪いわけでもない。それなのに風力の伸びを妨げている要因は何か。よく分析し、障害を取り除いていかなくてはならない(*2)。

【5】 ひとつは立地場所の環境影響評価(アセスメント)に時間がかかることだろう。環境省はアセスに必要な動植物などの基礎データをあらかじめデータベースとして示すモデル事業を実施している。経済産業省はアセスの手続きの一部を前倒しする事業を来年度から始める。自然保護や騒音防止はもちろん大事だが、アセス期間を短縮する工夫は重要だ。

【6】 再生エネによる電気の買い取りを電力会社に義務付けた固定価格買い取り制度(FIT)の運用も大事だ。来年度の買い取り価格は審議中で、これまで陸上風力と同じだった洋上風力の買い取り価格を引き上げる方針だ。国土を海岸線に囲まれた日本では、洋上風力の方が陸上風力より潜在力が高いと考えられ、後押しが必要だ(*3)。

【7】 風力発電については、「出力が不安定なため電力の品質に悪影響を与える」といった声を聞くが、誤解もある。確かに風車1基だと天候に応じて出力は変動する。しかし、多数の風車が広い地域に分散していれば変動は系統全体で吸収され、ならされる。「集合化」と呼ばれる効果で、制御しやすくなるという。スペインやドイツのように気象予測を有効活用して電力需給を調整すれば(*4)変動に応じた運用もできる。日本の技術でできないはずはない(*5)。

【8】 「電力会社の地域内や地域間の連系線の容量が足りず、これ以上導入できない」という声もあるが、制度や運用で解決できる部分もあるはずだ。政府や電力会社は可能性をさらに探ってほしい(*6)。

【9】 風力にはまだ潜在力がある。それを生かすためにも、再生エネを優先的に導入するルールを打ち出すことが大切だろう(*7)。

 

<注釈>

(*1) 足りなければフランスの原発から電力を輸入出来る欧州と、比較するさえ愚かだ。 
 
(*2) 適地があって、風況が良くて、稼働率2割だぞ。まあ、1割の太陽光発電よりは、確かにマシだが、「良く分析」するまでも無く稼働率の低さは明らかであるし、障害は「風による発電」と言う原理そのものだ。応酬で風力発電が大きな顔できるのは、「電力輸入のお蔭だろう」と言うのは私(ZERO)の推測にすぎないが、相応に確信ならあるぞ。 
 
(*3) そりゃ風力発電を「後押し」はするだろうが左。電力料金の高騰要因である事は、理解しているのかね?現状でも、太陽光程高価ではないが、火力や原子力、水力よりも圧倒的に高価なのが風力発電だぞ。それぐらい高価に買い上げないと、「商売として成立しない」からでもある。
 
(*4) その「調整」の大半を担うのは「制御可能な発電能力」であり、火力・水力・原子力だ。言い換えれば太陽光や風力による発電は、「制御可能な発電能力=火力・水力・原子力」との組み合わせでなければ実現できない。言い方を変えれば「燃料や水量の節約しか出来ない」とも言い得る。 
 
(*5) 発電原理として出来ない事は、日本の技術だろうが外国の技術だろうが、出来ようがない。「日本の技術」は魔法でも呪文でも打ち出の小槌でもない。 
 
(*6) 自己目的化している、って自覚は…無いんだろうな。原理主義者には。
 
(*7) 高価で、不安定で、発電量を制御も出来ない「風力発電」が、そんなに大事かね?…と、原理主義者にはいうだけ無駄か。 
 

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