仏像返還、訪韓し直談判へ 対馬市長、1万7千人署名も提出
長崎県対馬市の観音寺から盗まれた「観世音菩薩坐像」(高さ50.5センチ)が、韓国で発見されながら韓国の裁判所が返還差し止めの仮処分を決めた問題で、対馬市の財部能成市長が7月にも訪韓し、韓国・文化財庁に返還を求めて直談判する意向を固めたことが分かった。返還を求める島民の署名約1万7千人分も同時に提出する考えだという。
市教育委員会によると、署名活動は財部市長が発起人となり、4月下旬に開始した。6月11日までに市の人口(約3万4千人)の半数に当たる1万6803人の署名を得たという。
市関係者によると、財部市長は「仏像は何百年も島民が守ってきた。島民の気持ちを伝えるのが私の使命だ」などと周囲に漏らしており、訪韓の決意は固いという。ただ、韓国側との日程調整などはまだ進んでいないという。
観音寺の前住職、田中節孝氏は「当初から財部市長には返還を求めるようお願いしていたので訪韓すれば事態が前進するのではないかと期待している。できれば私も一緒に行きたい」と語った。
また、仏像返還運動に携わってきた小宮教義市議は「ちょっと遅かったが、行くからにはきっちりと取り返してほしい。観音寺の住職らと檀家も一緒に訪韓し、きちんと思いを伝えるべきだ」と述べた。
観音寺の菩薩坐像は昨年10月上旬、本堂から盗まれた。韓国・大田地方警察庁が今年1月29日、窃盗グループの男(69)を立件し、仏像を回収したことを発表。これに対して、韓国・瑞山市の浮石寺や仏教界が「仏像は倭寇に略奪された」などと訴え、大田地裁は当面返還を差し止める仮処分を出した。
菩薩坐像は14世紀前半に浮石寺で作られたとみられるが、14世紀末に成立した李氏朝鮮が儒教を国教としたことにより各地で仏像破壊が頻発し、浮石寺も一時廃寺になった。菩薩坐像にも傷があり、この時期に惨状を見かねた人の手により、対馬に持ち込まれたとみられている。
それだけに対馬市民の憤りは大きい。地元では、毎年8月、韓国から舞踏団などを招き、朝鮮通信使を再現する「厳原港まつり対馬アリラン祭」を開いてきたが、今年は朝鮮通信使行列を中止する方針。
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さて対馬市長の訪問、しっかりと準備して欲しいですね。
この報道を受けて韓国側では国を挙げて(?)の準備にかかるでしょう。
恐らくディベートになると思います。
そのディベートに勝てる人でないと、一方的に〝聞かされる〟ことになります。
仏教史の専門家や一般的な日韓関係の歴史に強い人を連れていかないと、負けます。
「とりあえずは行ってきました」というのは許されません。