広島土砂災害】「全域に届いてしまう」と緊急メール配信せず 問われる市の初動態勢
2014.9.4 13:19(産経west)[土砂災害]
広島市の土砂災害で、市が発生当日に避難勧告・指示を住民に携帯電話で伝達する「緊急メール」を配信していなかったことが4日、市への取材で分かった。緊急メールは事前登録の必要がなく、市内にいる人の携帯電話に大きなアラーム音とともに避難情報を一斉配信する。有効な情報伝達手段で、配信されていれば被害を軽減できた可能性があり、市は対応に問題がなかったか検証する。
市は平成24年2月までに主要携帯会社の対応機種で緊急メールの運用を開始。ところが、市は発生当日の8月20日、「(避難勧告・指示の対象地域より広範な)市全域に届いてしまう」として使用せず、配信地域が限定できる防災情報メールを配信していたという。ただ、防災情報メールは事前登録が必要で、登録件数は市人口の4・7%にすぎない。
今回の土砂災害では、激しい雷や土石流が防災行政無線の音をかき消していた上に、多数の死者が出た安佐南区の八木地区では防災行政無線の屋外スピーカーが設置されていなかった。
市の地域防災計画では、緊急メールは防災行政無線を補完する情報伝達手段と位置づけられており、市の初動態勢が問われそうだ。
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これは酷い話です。広島市は防災をどう考えているのでしょうか。市長の考えも聞いてみたいものです。
緊急メールが危険区域外の人にも届いて、一体誰が怒るというのでしょうか。
そういえば民主党政府も福島第一の事故の際に、せっかくの放射能影響予測システム「SPEED」を全く活かしてなかったですね。
以前、長嶋茂雄氏が「セコムしてますか?」と言うCMがよく流れていたのですが、その長嶋邸に泥棒が入り、「誤作動が多いから止めていた」と弁解したらしいです。
もうひとつ思い起こす出来事があります。これは逆のパターンです。
5年前に北朝鮮が日本に向けてテポドンを撃ったときに、当時まだ試験運用中だったガメラレーダー(通称)を組み込んで、これが何か別の信号を拾ってしまい、ミサイル発射の速報が流れて自衛隊は世界に大恥をかきました。
これは検知能力と、個々の情報をどう扱うかの問題です。
これは自衛隊にとってもいい経験になりました。
これらから言えることは、
先ずは感知すること、感知も出来なければお話になりません。
感知した情報には、重大性・緊急性や精度においていろいろな種類が含まれますから、担当部門で処理した情報を、事前に良く練られたマニュアルに基づいて即刻に判断して動ける体制が危機管理に不可欠です。
情報の内容にもよりますが、避難を呼びかけるような内容なら、広く流れてもいいのです。
同じような判断ミスが今後繰返えさなれないことを強く願います。