金星探査機あかつき 7日に軌道投入に再挑戦 5年前の失敗から「復活」なるか
平成22年に金星の周回軌道投入に失敗した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「あかつき」が7日、再び軌道投入に挑戦する。故障した主エンジンの代わりに小型エンジンを噴射して挑む計画で、関係者は「今度こそ成功させたい」と意気込んでいる。
あかつきはこの5年間、太陽の周りを回っており、現在は太陽から見て金星の外側前方を飛行している。計画では7日午前、金星に追い越された瞬間に姿勢制御用のエンジン4基を約20分間噴射。減速して周回軌道に入る。
投入に最適な条件を検討した結果、偶然にも5年前と同じ日に再挑戦することになった。長期の運用に伴う故障を防ぐため多くの対策を重ねてきたが、状況は予断を許さない。燃料も残り少なくなっており、今回が最後のチャンスになる。
計画を統括する中村正人プロジェクトマネージャ(56)は「われわれは全力を尽くした。あかつきは疲労しており、5年前より難易度は上がっているが、成功で乗り切りたい」と力を込める。
5年前に打ち上げられた探査機です。
この時、ロケットの余力を活かして一緒に打ち上げられたのがソーラー電力セイル実証機「イカロス」です。
宇宙に放出されて、畳まれていた帆をクルクル回って遠心力で開き、地上からの指示を受けて、ヨットが風で進むように、太陽光を帆にいっぱい受けて自由航行しました。
用意していたちょっとしたおまけのミッションまで成功してフル・サクセスの上のエキストラ・サクセスでした。
今でもまだ立派に機能します。
なんという過酷な現実でしょうか。
メインの「あかつき」は金星に向かって飛び続け、そしていよいよ金星周回軌道に移る段で、逆噴射の推力が足らず、金星を素通りしてしまいました。単なるオタクの私も随分ガックリきました。
失敗の原因を巡って、チームで「自分の担当した部分に問題はなかった」という責任水掛け論が起こったのです。原因究明の実験をするために予算が組まれ、いろいろ調査してほぼ究明できました。
なんてことはありません。最初からその実験をやっておけば良かったのです。
と、言うのは簡単ですが、十分な実験をする予算はJAXAにないのです。
「はやぶさ」がイトカワで行った探査でも、同様のことが起こっています。
「はやぶさ」が満身創痍で奇跡的に成果をもたらした時期でしたので、「あかつき」のチームにも「決して諦めるな」と叱咤激励が殺到したようです。
メンバーの方々、さぞや辛かったと思います。それでも「あかつき」を操って姿勢制御を頑張り、再チャレンジをするための軌道へ運んできました。
さあ、いよいよです。噴射するメカニズムが既に大きく壊れているという推測もあります。燃料も乏しいです。
奇跡が起こることを只々祈念します。
【7日午後追記】
今の科学ニュースで、エンジン噴射に成功したようです。
おい、ホントかよう、という気持ちです。
綺麗な円軌道でなくても、まずは良かった。
チームの方々は5年間の苦労がやっと報いられますね。