日本人のルーツについて、近年DNA解析が盛んになって、どんどん解明が進んでいます。以前は骨格のあちこちサイズを測ったりする形態の面から推測がメインだったのと隔世の感です。
縄文人は現在のアジアのいろんな民族と比べても、とんでもない程の特異性があります。アフリカで発生した人類はユーラシア大陸を東進してどんどん枝分かれしたようですが、とても早い段階で縄文人が分岐してずっと日本列島に住んでいたという説もあると説明されています。そして多かれ少なかれ、現代の日本人は誰もが縄文人の遺伝を受け継いでいます。
まだまだ未解明の謎が多いです。
DNAの保存状態が良い北部が先行していますが、更に技術が進めば南方の縄文人も解析できればいいですね。
縄文といえば、「野蛮」のイメージで学校で教えられてきたのではないでしょうか。
確かに狩猟・採集民族ですが、心優しい人達です。発掘される人骨には武器で傷ついたような跡がありません。石槍・石鏃・石斧は存在しますが、これらはすべて生活の道具であり 、武器ではありません。武器が登場するのは弥生以降です。
愛媛県の縄文遺跡からは、犬を大切に葬ったことも分かっています。
過去記事:「日本犬のルーツの骨か?」
文化の面でも凄いです。弥生の土器が実用に徹しているのと対照的に、縄文土器はアートです。その中でも上部が炎が燃え上がる造形の物は「火焔土器」と呼ばれています。
実は「日本の美」総合プロジェクト懇談会座長で愛国者である俳優の津川雅彦氏が、東京オリンピックの聖火台に「火焔土器」の形状を提言されていて、大賛成です。
土器上部の火焔の部分に、当時の人は燃え上がる熱い心を表現したのかもしれません。
この土器の形の聖火台こそ聖火を燃やすにふさわしいでしょう。
競技場の周りは森が造られます。縄文の人の心が宿る森と通じるものもあります。
もののけ姫
関連サイト:ウィキペディア「縄文人」