人工透析の携帯型代替システム 災害時に応急処置 物材機構が開発
2014.2.19 23:37(産経)[携帯電話・スマートフォン]
物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は19日、慢性腎不全患者に欠かせない人工透析に代わる携帯型の血液浄化システムを、同機構生体機能材料ユニットの荏原充宏主任研究員らが開発したと発表した。災害時に透析患者への応急処置が可能となるといい、6年後の実用化を目指す。
開発したのは、単3電池2本で稼動するコンパクトな腕時計型カートリッジを使った血液浄化システム。腎不全患者が人工透析で除去している尿毒素の一つ「クレアチニン」を、カートリッジ内に取り付けた新開発素材「高性能ナノファイバーメッシュ」で吸着し、血液中から除去する。
新素材には吸着性のある鉱物「ゼオライト」を織り込み、クレアチニンだけを取り除く。新素材16グラムで、1時間で蓄積するクレアチニン約50ミリグラムを除去することに成功した。水道の蛇口に付ける浄化カートリッジの原理を応用しており、カートリッジ内の新素材を取り換えることで、体内に排出される1日分のクレアチニンの除去も可能だという。
荏原主任研究員は「災害でライフラインが寸断され、通院が困難な緊急時などに透析患者の負担をカバーできる」と話している。
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大災害が発生すると、大量の負傷者が発生し、救助・搬送がヤマ場を超えても電気などのライフラインが止まったままだと、次の救急医療問題が浮上します。
週3回透析の方が災害当日に日透析できず、2日・3日と経過すると苦しくなります。遠隔地の透析病院まで搬送できればいいのですが、道路は大渋滞、ヘリも多人数は捌けません。
東日本大震災でも大変お困りの方が多かったと思います。
でも日本が科学の国で良かったですね。
ニーズがあって新しい技術が出てきます。
この「物材機構」とは物質・材料研究機構です。新物質・新材料の研究開発をしている世界的に有名な研究機関で、英語表記(National Institute for Materials Science)を略したNIMS(ミムス)で通っています。
ナノ科学や超伝導など対象は多岐にわたっていますが、民主党政権の人達には関心が無かったようで、事業「仕分け」で危ないときもありました。
物質や材料を研究することは、すべての工学の基礎中の基礎ですね。
これらの研究なくしてブレイク・スルー(それ迄の不可能を可能に替える画期的技術)は生まれません。
もう決して悪夢の時代が来ませんように!
科学技術を支援する国民的合意がさらに高まりますように!