STAP細胞作製の再現に成功か「言葉が出ないほど驚き」香港中文大学の李教授
香港中文大学の李嘉豪教授は、STAP細胞の作製手法をオープンプラットフォームで検証しているが、このほど正しい手法を特定できた可能性があると発表した。
多能性幹細胞を簡単に作製する方法を示した画期的な論文に不正疑惑が出てから数週間経つが、香港中文大学(The Chinese University of Hong Kong)の李嘉豪教授は、正しい手法を特定できた可能性があると考えている。
この研究で提示されたSTAP細胞(刺激惹起性多機能獲得細胞)が衝撃的だったのは、胚性幹細胞と同様に、パーキンソン病のような病気の治療に利用できる可能性がある幹細胞を作製する簡単な方法が示されたからだ。つまり、酸に浸すなどの過度のストレスを与えることにより、成長した動物の提供者(この研究ではマウスだが)自身の血液や皮膚の細胞を初期化(リ・プログラミング)するというのだ。
一方、論文共同執筆者であるハーヴァード大学医学大学院のチャールズ・ヴァカンティ教授は3月20日、STAP細胞の手法の別のプロトコル(実験手順)をオンラインで公開している。
背中にヒトの耳が生えているかのように見える実験用マウス「耳ネズミ」で有名なヴァカンティ氏は、自分の明らかにした方法は、「研究する細胞の種類にかかわらず、実験室でSTAP細胞を作製する有効なプロトコル」だとわかったと述べている。
ヴァカンティ氏の方法は、『Nature』誌に発表された元論文で述べられている、酸に浸す処理と研和処理(ピペットを使って細胞に圧力を加えてストレスを与えること)のふたつの手法を組み合わせたものだ。ヴァカンティ氏は研和処理について、元論文よりも力を加え、長い期間(第1週目は1日に2回)実施すると説明している。
李氏はそれ以前に自身の手法を『Nature』に提出し、3月に拒否されていたが、同氏はくじけることなく、ヴァカンティ氏の手法の応用に取りかかった。李氏はオープンソース・プラットフォーム「ResearchGate」において、一連の実験プロセスをリアルタイムで公開し、ほかの研究者からのレヴューにも即座に対応している。
李氏は実験開始後ほどなくして、実験で使われた肺繊維芽細胞のなかに、過剰なストレスによって急死するものがあることを発見した。
李氏は3月28日付けで次のように書いている。「われわれは、細胞の数が50%減少したと推定した。『Nature』に発表された元の論文では、このような細胞数の減少は2日目に報告されており、われわれの現在の実験と一致する。3日目は非常に重要だ。この日にSTAP細胞のOct4-GFPの発現が報告されているからだ」(Oct4-GFPの出現は、幹細胞が作製されつつあることを示すとされる。Oct4は未分化胚性幹細胞の自己複製に密接に関与しているヒトのタンパク質のひとつで、緑色蛍光タンパク質GFPを利用して、未分化細胞のマーカーとして頻用される)。
「われわれの培養物のなかで、細胞数がさらに大きく減少したことがわかれば、その一部を採取して、直接定量PCR分析(幹細胞のスクリーニング手法)にかけるつもりだ」と李氏は述べている。
4月1日、「衝撃的」な定量PCRの結果が、グラフとともに公開された。「3日目の対照培養物と、STAP培養物の定量PCRの結果は衝撃的で驚いた」と李氏は述べている。「言葉が出ないほどの驚きだ!」
李氏はこの結果から、STAP細胞の作製に重要であったのは、酸に浸すことではなく、研和(微細なガラス管に細胞と溶液の混合物を通すことで、細胞の塊のサイズを小さくする工程)による極度のストレスである可能性があると推論している。
もちろん、李氏の研究は、ひとつの研究チームによる1回の取り組みに過ぎない。また、理研自身による結果の発表を待つ必要があることも間違いない。
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私はとても心配しています。
ノーベル賞級の大発見だと騒いで持ち上げて、それがコピペの件などが報道されると、今度は掌を返して小保方叩きの大合唱の状態です。
小保方氏の個性やプライベートなことまで、あれやこれやと叩きまくっています。
一体何を望んでいるのでしょうか。
小保方氏が泣いて土下座をして、何もかも嘘でしたと許しを求める光景でしょうか。
理研と学会を追放されて「あの人は今」の状態になることでしょうか。
小保方氏には、あってはならないことですが、STAP細胞の存在に自信をもつあまり、焦ってそのプロセスを疎かにしてしまったようです。
しかし私は小保方氏は科学のとてつもない領域への扉を開きかけた可能性が実際にあると思っています。
中国人の科学を見くびってはいけません。科学技術の論文の数が日本より遥かに多いということです。
そして(毎回そうですが)何か画期的な発明や発見があると、凄い勢いで追い上げてきます。
今回もわずかの期間でこの発表を行うまでの位置に来ているのです。
もし(プロセスの手法はともかく)STAP細胞が実存するものであるなら、特許など今後のおいしい部分は獲られてしまうかもです。
だから「それはそれ、これはこれ」という見方をしましょう。